今知りたい事業承継の実務・法務編 承継形態別対応から 相続法改正の影響まで
講師
平良 明久 氏(弁護士法人 Y&P法律事務所 弁護士)
概要
経済産業省によると、60歳以上の経営者のうち、2人に1人が廃業を予定__しています。うち、後継者の不存在を理由とした廃業検討は約30%とされます。
また、後継者の育成には5年以上かかることが大半ともいわれています。
先生方の顧問先の経営者も、実は廃業を巡る悩みを抱えているかもしれませんし、その場合いち早く問題解決に向かって動くことが必要と言えます。
・税理士などの他士業が対策をはじめたところ、何らかの法的な問題が発生した
・顧問先の法人において社長と話している中で、「実は事業承継が終わっていないんだよね」という話が出てくる
といった相談が弁護士に寄せられるケースがあります。
このようなケースに対して、弁護士が適切なフォローをすることで事業を継続できる可能性はあります。
本講義では、事業承継の基礎的知識から具体的に弁護士に求められる法務対応までを 親族内承継・従業員承継・中小企業におけるM&A含む親族外承継の類型別に、相続紛争やM&A案件を専門とする講師が解説します。
内容は、事業承継の初動対応や相続法改正による遺留分制度の改正への対応にとどまりません。例えば、「すでに株式が分散している場合の対策」としては、 「特定の株主を対象とした自己株式の取得」や「オーナー個人、持株会での取得」、「ミニ公開買付(自己株TOB)」などの具体的な解決例にも言及しながら実践的に解説します。
これから事業承継に携わりたい弁護士のみならず、すでに事業承継を手がけてきた弁護士にも必見の内容となっています。
講義内容
1.事業承継の動向 経営者の高齢化, 事業承継の準備状況, 事業承継に必要な時間等, 後継者難による廃業/事業承継の現状
2.事業承継対策の概要 事業承継対策の基本的な考え方
3.親族内承継親族内承継の課題 相続開始後の手続の流れ, 遺産分割協議の概要, 遺留分制度の概要, 平成30年相続法改正に伴う遺留分制度の改正 遺留分に関する民法の特例, 除外合意制度の概要, 固定合意制度の概要, 除外合意・固定合意制度の概要
4.従業員承継 従業員承継の課題
5.親族外承継 親族外承継の方法, M&Aと法務DDのプロセス, 法務DDにおける検討要旨 主な株価算定方法の一覧, 算定方法の説明 (マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ、コスト・アプローチ)
6.廃業 廃業の方法
7.既に株式が分散してる場合の対策例資本政策上の課題 分散株式対策検討フロー, 特定の株主を対象とした自己株式の取得, ミニ公開買付 (自己株TOB) 従業員持株会の活用, オーナー個人、持株会社で取得, ファンド等の活用, 増資 新株予約権の発行, 自社株信託の活用, 株主間契約, 定款変更, 種類株式への転換(取得条項付株式) 種類株式への転換(無議決権株式), 所在不明株主の株式売却, 全部取得条項付種類株式 株式併合, 合併(金銭交付型), 株式交換(金銭交付型), 特別支配株主の株式等売渡請求
付属資料
・講義レジュメ
・中小企業経営承継円滑化法申請マニュアル「民法特例」
・中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律
講師詳細
講師名
平良 明久 氏(弁護士法人 Y&P法律事務所 弁護士)
プロフィール
2003年3月 私立樹徳高等学校卒業
2008年3月 中央大学法学部政治学科卒業
2010年3月 中央大学法科大学院修了
2011年11月 最高裁判所司法研修所入所
2012年12月 東京弁護士会登録
2013年1月 税理士法人山田&パートナーズ入所
2014年5月 弁護士法人Y&P法律事務所設立
著書
税理士が知っておきたい税務争訟・税賠対応50のポイント(共著)(大蔵財務協会) 2014年10月
中堅・中小企業のためのやさしい会社法(共著)(同文舘出版株式会社) 2014年12月
相続の仕事の現場で使える民法(共著)(税務経理協会) 2018年4月
配偶者居住権の新設等 改正相続法への対応と実務Q&A(共著)(日本法令) 2019年2月